化学防護服 PERSONAL PROTECTION化学防護服 PERSONAL PROTECTION

Chemicals化学物質・化学薬品対応

「浸透」と「透過」のメカニズム

化学物質・化学薬品を扱う作業現場は常に危険と隣り合わせです。危険な化学物質との接触は、皮膚の火傷や呼吸器障害等の健康障害を発生させる恐れがあり、時に作業者の生命を奪う重大事故に繋がることもあります。
化学物質ばく露の危険から作業者を守るためには、取り扱う化学物質の特性をきちんと認識しておくことが重要です。多くの化学物質は「浸透」と「透過」という現象を引き起こします。
「浸透」とは、縫い目やファスナーといった、作業服素材の小さな隙間から液体の化学物質が非分子レベルで通過してしまうことをいいます。かっぱを着ているのに、雨が中に染み込んでくるのと同じ現象です。衣服の内側に染み出した化学物質が皮膚に触れることで、火傷や呼吸器障害など、さまざまな健康被害を引き起こす危険があります。
「透過」とは、化学物質が分子レベルの状態で通過してしまう現象をいいます。目で確認することができないため、作業者が気づかないうちに化学物質にばく露してしまいます。
通過した化学物質は、皮膚に接触し、皮膚から体内の細胞へと吸収(経皮吸収)され、浸透同様、さまざまな健康被害を引き起こします。
一般的な織物作業服では「浸透」も「透過」も防ぐことはできません。また塩化ビニール製のかっぱを作業服として使用するケースもありますが、安価なかっぱも「浸透」と「透過」を防ぐことはできません。「浸透」と「透過」の両方を防ぐことのできる適切な防護服の着用が何よりも大切なのです。

目視できない「透過」から作業者を守る個人用保護具

化学物質・化学薬品対応防護服であるタイケム®は、「浸透」はもちろん、目視確認しにくい「透過」のリスクまで配慮した防護服です。300種類以上の化学物質に対する透過データを公開しています。
2016年6月1日には「労働安全衛生法」の改正が行われ、一定の危険有害性のある化学物質(640物質)について、事業場におけるリスクアセスメントの実施が義務付けられました。リスクアセスメントとは、化学物質やその製剤の持つ危険性や有害性を特定し、それによる労働者への危険または健康障害を生じる恐れの程度を見積もり、リスクの低減対策を検討することをいいます。リスクアセスメントのステップ4「リスク低減措置の実施」では、個人用保護具の使用についてもリスク低減措置の一例として挙げられています。
作業者の健康・安全を守ることは企業の社会的責任であり、その一助となり得る防護服の重要性は今後ますます大きくなっていくものと思われます。

防護服の使用用途