について
タイベック®シルバーは、高密度ポリエチレン不織布タイベック®にアルミニウムを蒸着させ、さらに繊維の一本いっぽんにアルミニウムの劣化を防ぐ抗酸化樹脂コーティングを施した遮熱シートです。薄い防水フィルムに透湿アルミニウムを挟んだだけの他社製品とは異なり、長期間使用しても遮熱性、防水性の劣化が少ない、強靭な建材です。
快適・長持ちを実現する
の8つの性能
タイベック® シルバーは通気層構法における外装下地材として、トータルバランスに優れた8つの性能の発揮します。夏涼しく冬暖かいという遮熱性能と、躯体の劣化や腐敗を防ぐ透湿・防水性能、そしてそれらが長持ちする優れたシートです。
遮熱性赤外線の約85%を反射
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アルミニウムは、高い赤外線反射率を持ち、熱の放射を抑える特徴があります。この特徴を活かしたタイベック®シルバーは、赤外線反射率約85%(=赤外線放射率約15%)※という、高い遮熱性を有しています。夏は屋外(外装材)からの輻射熱(赤外線)を反射し室内を涼しく、冬は屋外への熱の放射を抑え室内を暖かく保ちます。
遮熱耐久性アルミニウムの酸化劣化を防止
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真夏の通気層は、50℃を超えたり、湿度が90%に達したりすることがあり、非常に厳しい環境になります。アルミニウムは劣化しやすい素材のため、この厳しい環境に対して技術的な対策を取り、耐久性に問題がないようにする必要があります。タイベック®シルバーは、独自の構造と抗酸化樹脂コーティングにより、酸化劣化を抑え、建材として充分な耐久性を確保しています。
10年相当遮熱耐久性試験
日本国内で最も高温多湿となる地域での通気層内(温度65°C、相対湿度93%)を想定し、10年経過後と同等の状態になるように劣化促進試験を行いました。
赤外線反射率の変化はごくわずかで、シートおよびシート表面にも劣化はほとんど確認されませんでした。優れた品質は、10年経過しても変わらないと予想されます。
初期(%) | 10年相当(%) | 劣化度合い(%) | |
---|---|---|---|
赤外線反射率 | 84.9 | 82.1 | 2.8 |
- ●温度:90℃
- ●相対湿度:95%
- ●曝露期間:152日間
測定機関:デュポン中央研究所
装置下部の水槽温度を80℃に設定し、発生する蒸気がアルミニウム面に当たるように設置しました。
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-
他社 アルミニウム蒸着遮熱シート
アルミニウム面に十分な劣化防止加工が施されていないため、劣化することがわかりました。
-
タイベック®シルバー
抗酸化樹脂でコーティングされたタイベック®シルバーでは、アルミニウム面に変化は見られません。
シートに雨水が付着したまま外装施工されることや、外装施工後も、雨水がシートに付着する可能性があることを想定し、水分を付着させた状態で恒温恒湿槽に放置し、水分と熱に対する耐久性を確認しました。
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-
他社 アルミニウム蒸着遮熱シート
銀色だったシート表面が白っぽくなり、アルミニウム部分に変化が見られました。
-
タイベック®シルバー
タイベック®シルバーの表面に見た目の変化はなく、優れた耐久性が確認されました。
透湿性湿気を逃がす無数の隙間
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防水性高密度繊維が水をブロック
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※通気層構法にて適切に使用された場合の防水性能を指しています。
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防水耐久性防水性残存率97%
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旭川市の建物に施工され、18年経過後のタイベック®ハウスラップ。厳しい風雨や雪の中、断熱材は保護され、ほとんど劣化していません。

防水耐久性試験
タイベック®シルバー、タイベック®ハウスラップ及び他社シートに対して耐久性試験を行ないました。タイベック®シルバーは30年相当の耐久性試験においてほとんど変化が見られず、優れた防水耐久性が確認されました。
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強靭性施工による損傷にも強い
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夏型結露にも有効な遮熱
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夏型結露の要因は、壁体内の温度上昇による蒸し返しと温度勾配による湿気の移動であると言われています。タイベック®シルバーで遮熱をすることにより、壁体内(シート内側)の温度上昇を抑え、温度勾配を緩やかにし、室内側への水蒸気移動を抑えることが可能になります。研究結果※では、夏場の壁体内の絶対湿度を低下させることも明らかになりました。日差しが強く、湿気の多い地域では特に、遮熱による夏型結露対策は効果的であると考えられます。
参考文献
本間義規:通気層内の放射伝熱および通気風量を考慮した断熱壁体の熱水分同時移動解析,日本建築学会大会学術講演梗概集,301-302, 2012年9月
タイベック®シルバーは、アルミニウムの力で輻射熱(赤外線)を上手にコントロールすることで、1年中を通して快適な空間を実現します。
夏の効果
夏はアルミニウムの高い赤外線反射率により室外からの強い輻射熱(赤外線)を反射します。

室温と体感温度の違い
快適な空間づくりは輻射熱の量を抑え、体感温度の上昇を防ぐことが大切。
ここでは室温と体感温度の違い、輻射熱の影響についてご説明します。
人が暑いと感じたり、涼しいと感じたりするのは、室温のみに原因があると誤解されがちですが、室温=体感温度ではありません。体感温度は、室温だけに影響を受けるわけではなく、身の回りの物体から放出される輻射熱(赤外線)によっても大きく変化します。
例えば、夏の暑い日に木陰に避難すると、気温は日なたと同じであるにも関わらず涼しく感じます。これは太陽の輻射熱を直接浴びずに済むことで、体感温度が下がるためです。
一般にその体感温度とは、下の数式で表されることがあります。

※実際の体感温度は個人差があり、他の要因(湿度、風の影響)も考慮する必要があります。また室内においては、壁や天井との距離にも左右されます。
夏の夜は、窓を開けて外気温と室温を同じにしても、暑苦しさを感じます。これは日中に太陽の光によって壁や天井に蓄積された輻射熱が室内に放出され、体感温度を上昇させるからです。従って、先ほどの木陰の例のように、輻射熱の影響を直接受けないように遮ることができれば、体感温度の上昇を抑え、快適に過ごせる住まいが実現できます。
一方、冬は壁や天井の温度を暖かく保つことで、体感温度は上昇します。
タイベック®シルバーは、アルミニウムの力で約85%もの輻射熱を反射し、壁や天井に蓄積される輻射熱の量を大幅に減らします。エアコンに頼らずとも快適に過ごせる、エコロジーな住まいづくりに貢献します。
夏は強い日射しで高温になった外装材から室内に向けて輻射熱(赤外線)が放射され、躯体が温められます。タイベック®シルバーはこの輻射熱を通気層内で反射させることにより、室内への熱移動を抑え、住まいを快適に保ちます。

冬の効果
冬はアルミニウムの低い赤外線放射率により室内からの熱の放射を抑え、魔法瓶のような効果を発揮します。

室内の暖房の熱は躯体や断熱材を伝わり、次第に通気層に向かって熱を放射してしまいます。タイベック®シルバーはこの熱損失を抑えて室内を暖かく保つことができます。

タイベック®シルバーの性能実験や実際の施工例における調査データです。
その優れた遮熱および透湿、防水性能をご覧ください。
実験映像
夏の効果
タイベック®シルバー(左)とタイベック®ハウスラップ(右)の裏側から赤外線ヒーターを当て、熱をどのくらい反射するかを表側(手前)からサーモカメラで測定しました。タイベック®ハウスラップ(右)は時間とともに表側に熱を通してしまいますが、タイベック®シルバー(左)は熱を反射して通さず、表側の温度を低いままに保っています。
冬の効果
普通の紙コップ(右)とタイベック®シルバーを巻いた紙コップ(左)それぞれに熱湯を注ぎ、コップ外側に熱がどのくらい放出されるかを測定しました。タイベック®シルバーを巻いた紙コップ(左)は普通の紙コップ(右)に比べて、コップ外側表面の温度が上がらず、熱の放出を抑えています。つまり住宅であれば、冬場に室内の熱を外に逃さないことになります。
注:放射率が極端に異なるもの同士を直接サーモカメラで測定しても正確な熱映像が得られないことがあるため、この実験では両紙コップの周囲にさらに紙を置き、そこに伝わった温度を測定しました。
透湿・防水性能
水槽にタイベック®シルバーで間仕切りをして上から水を張り、下から空気を送り出して防水性と通気性を確認する実験です。タイベック®シルバーは水を通しませんが、目に見えない無数の穴(極細繊維間)から空気を通し、透湿性能を有していることがわかります。
実棟効果検証
夏の効果検証(愛媛県松山市)
タイベック®シルバーの効果を実際の住宅で調査しました。
夏の効果検証(愛媛県松山市)
他社透湿防水シートを使用した住宅と、タイベック®シルバーを使用した住宅の内部温度を比較しました。
結果報告
赤外線を効果的に反射するタイベック®シルバーを施工した建物は、施工していない建物と比べて、天井・壁の温度上昇が抑えられました。躯体等への蓄熱を軽減しているため、日没後の輻射による熱の影響を抑え、快適性を向上させています。
実験
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同仕様の隣り合った2棟を室内からサーモカメラで撮影し、天井・壁の温度を比較。(松山市内)
- A棟・・・壁:従来タイプ 透湿・防湿シート 屋根:シートなし
- B棟・・・壁・屋根:タイベック®シルバーを使用)
- 試験日/2005年7月26日
- 外気温/33℃(13:00)
- 構造/在来木造工法(断熱材厚 壁100mm 屋根裏100mm)
- 撮影機材/NEC製サーモトレーサTH9100MV
- 遮熱建材/デュポン™タイベック®シルバー (下記データは実測値であり、保証値ではありません。)
画像左:従来品 画像右:タイベック®シルバー

- 10時頃
- (東南部屋・隅)
最初は大きな違いは出ません
- 12時頃
- (東南部屋・隅)
差が出始めています。
- 16時頃
- (北西部屋・隅)
差が大きく開いています。
- 19時頃
- (北西部屋・隅)
日が落ちてもまだ差は開いたままです。
同物件の小屋裏を撮影
- 左:タイベック®ルバーなし
- 蒸し暑い2Fの天井裏です。
躯体に熱がこもり、灼熱状態なのが分かります。
- 右:タイベック®ルバーあり
- 1枚のシートが躯体のストレスをも軽減します。
夏の効果検証(産業施設)
タイベック®シルバーが天井裏に施工された産業施設にて遮熱効果を調査しました。
夏の効果検証(産業施設)
産業施設の天井裏(石膏ボード裏)にタイベック®シルバーを被覆させて試験しました。
結果報告
従来は、金属屋根からの赤外線(輻射)により天井が暖められ、その熱が輻射として室内へ大量に降り注ぎ、体感温度が上昇していました。クーラー温度を19度に設定し、常時作動させていたことで、停電を起こすこともしばしばでした。タイベックR
シルバー施工後は設定温度を26℃にしても快適に作業ができるようになり、クーラーを作動させても停電しなくなったとのことです。

試験結果
何もなし
タイベックRシルバー
シートと石膏ボードの
間の温度
43℃


停電の有無
毎年停電

冷房設定温度
19℃


冬の効果検証(富山県高岡市)
タイベック®シルバーの効果を実際の住宅で調査しました。
冬の効果検証(富山県高岡市)
タイベック®シルバーの有無による冬の保温効果を測定しました。同仕様の隣り合った2棟を、室内側からサーモカメラで撮影しました。
結果報告
高気密・高断熱と呼ばれる住宅であっても赤外線による熱の損失は避けられず、室内の壁の温度は低下していました。タイベック®シルバーを施工した物件は、アルミニウムの熱を放出しにくいという特性から、その保温効果が認められました。
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実験
- 日時/2007年1月26日 13時頃 場所/高岡市内
- 構造/在来木造工法 壁断熱材の厚み/100mm
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冬の効果検証(実験棟)
遮熱仕様と通常仕様の屋根で熱の損失の違いを確認しました。
冬の効果検証(実験棟)
デュポン(株)技術サービスセンターの実験棟にて調査を行いました。
結果報告
タイベック®シルバーの有無による、外部への熱放射の違いを調べました。内部に熱源としてヒーターを置き、外側から屋根面をサーモカメラで撮影しています。
タイベック®シルバーがあるだけで、内部からの熱漏れが大幅に減少しているのがわかります。
※屋根断熱は施していません。
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
タイベック®シルバーの製品規格および各種安全性試験データをご覧いただけます。
規格
品名
デュポン™タイベック®シルバー
規格
幅1m×長さ50m巻 (厚さ: 0.17mm)
幅3m×長さ40m巻 (厚さ: 0.17mm)
※製法上、厚みには多少のばらつきがあります。
施工上の留意点
デュポン™タイベック®シルバーのアルミニウム面が必ず空気に触れるように施工してください。
(アルミニウム面が物体に触れて熱が伝導してしまうと、遮熱効果が発揮されません)
●小屋裏への施工についてはこちらをご覧ください。
データ
取り扱い上の注意
- 当商品を、直射日光に当たる場所へ長期間放置しないでください。施工後は、60日以内にサイディング貼りを終了してください。
- 当商品は、外壁下地・小屋裏施工用としてのみ使用してください。
- 当商品は滑りやすいので、上に乗らないようにしてください。
- 当商品は火や高熱によって溶けたり燃えることがありますので、火や高熱物を近づけないでください。
- 当商品の施工にあたっては、当社が提供するデュポン™タイベック®標準施工要領に従い適切に施工してください。
- 当商品を取り扱う際には、手を切らないように注意してください。
- 当商品を使用して施工した場合でも、工法等により結露する場合があります。
警告
- 滑落の危険性がありますので、ルーフィングとして使用しないでください。
タイベック®シルバーの各部の施工方法について解説いたします。
(タイベック®ハウスラップの標準施工要領と同じです※ )
※小屋裏除く
施工方法
開口部
土台部
土台部
タイベック®は土台水切の上に被さるように施工することにより雨水を排出します。
また、タイベック®と土台水切は防水テープで固定してください。

入隅部
入隅部

※重ねしろは150mm以上確保してください。
※タイベック®は一枚続きでも施工できます。
※外壁部分の施工において、タイベック® ハウスラップ、タイベック® シルバー、タイベック® ドレインラップは、同じ施工要領になります。
出隅部
出隅部

※重ねしろは150mm以上確保してください。
※タイベック®は一枚続きでも施工できます。
※外壁部分の施工において、タイベック® ハウスラップ、タイベック® シルバー、タイベック® ドレインラップは、同じ施工要領になります。
小屋裏部
小屋裏部
夏季の蓄熱と冬季の熱損失は屋根からも起こります。
壁のみならず、小屋裏にも、タイベック®シルバーを施工いただくことを推奨しています。
透湿性があるため、壁、屋根共に安心してご使用いただけます。
※棟換気等により風でなびく音を防ぐため、ソフトタイプ(小屋裏用)を推奨しています。

おすすめ:軒天換気・棟換気等を併用すると、より効果的です。
- 小屋裏(室内側)から、アルミニウム面を屋根(外側)に向け、タッカー等で母屋や垂木に留めてください。
- ルーフィング材で求められる程、十分な防滑性と釘穴止水性を有していないため、屋根ルーフィングには使用できません。
- タイベック®シルバーは母屋だけではなく、垂木へのタッカー留めも十分に行ってください。(ピッチ100mm以下推奨)
- アルミ面に物体(合板や断熱材)が触れないように施工してください。
屋根断熱工法などの場合、その他施工に関するご質問は、弊社までお問い合せください。
注意事項
- 土台水切りとタイベック®は防水テープで固定してください。
- ゴムアス系防水テープは使用しないでください。
- モルタル直塗りはしないでください。
- タイベック®シルバーのアルミニウム面は空気に触れるように施工しないと遮熱効果が期待できません。
- 防蟻防腐剤がシートに影響を及ぼすことがあります。
木材に塗布する場合、溶剤が十分に揮発してからシートを施工してください。
又、通気胴縁に関しては外装施工前に雨水などにさらされることにより、
防蟻防腐剤が溶け出し、シートの防水性を低下させることがありますので十分にご注意下さい。
施工にはタイベック®シルバーテープの使用を推奨します。
- タイベック®シルバーがハード/ソフトより優れている点を教えてください。
- タイベック®シルバーはハード/ソフトの特性を持っていることに加えて、遮熱性、長期耐久性、防蟻防腐剤耐性に優れています。シルバーは、表面にアルミニウムを蒸着しており、赤外線反射率85%という高い遮熱性を有しています。また50年相当の耐久性試験を行っており、JIS A6111:2016の耐久性区分Ⅲ-1に適合しています。さらに1m幅製品については防蟻防腐剤への耐性があります。外装材施工までの期間に胴縁が多量の雨水にさらされて防蟻防腐剤に含まれる界面活性成分が溶け出し、それによって透湿防水シートの防水性能が低下することがあります。対して、シルバーは表面に特殊コーティングを施しており、防蟻防腐剤の影響を受けにくくなっています。
- タイベック®シルバーのアルミニウム面は、室内側と室外側のどちら側に向けた方がよいでしょうか。
- アルミニウム面を室外側に向けて施工ください。夏はアルミニウムの高い赤外線反射率により室外からの強い輻射熱を反射し、室内への熱移動を抑えます。一方で冬はアルミニウムの低い赤外線放射率により室内からの熱の放射を抑え、熱損失を抑えることで室内を暖かく保つことができます。
- タイベック®シルバーを施工した場合、断熱や気密は必要ないのですか?
- 断熱、気密は必要です。「遮熱」は赤外線エネルギーをコントロールするもので、暖気や冷気の流れを抑える「気密」や、熱の伝導を遅らせる「断熱」とは役割が違います。より快適性を高めるためには、これらを併用することが必要です。
- タイベック®シルバーはルーフィング材として使用することはできますか。
- ルーフィング材としてのご使用はおやめください。タイベック®シルバーはルーフィング材に求められる程度の釘穴止水性を有しておらず、また表面が滑りやすいため、施工時に転倒する恐れがあるため非常に危険です。
- タイベック®シルバーにより、携帯電話の電波が反射され、使えなくなることはありますか?
- 建物に開口部が一切なく、タイベック®シルバーで完全に包まれた空間ならば、携帯電話が着信できなくなることがあります。しかし、現実にはこのような状況は起こりにくく、ほとんどの場合で使用可能です。ただし、お住まいの地域や住宅の構造、窓ガラスの種類と携帯電話の組み合わせによっては、つながりにくくなります。
- タイベック®シルバーの遮熱性能を熱貫流率に置き換えることはできますか?
- タイベック®シルバーが持つ遮熱性能は、断熱性能とは性質が異なるため熱貫流率に置き換えることはできません。
- タイベック®シルバーの設計価格を教えてください。
- 設計価格一覧表をご参照ください。
▲設計価格一覧表
- タイベックR®シルバーの購入先を教えてください。
- 弊社営業担当者へご相談ください。
夏はアルミニウムの高い赤外線反射率により室外からの強い輻射熱(赤外線)を反射します。
快適な空間づくりは輻射熱の量を抑え、体感温度の上昇を防ぐことが大切。
ここでは室温と体感温度の違い、輻射熱の影響についてご説明します。
人が暑いと感じたり、涼しいと感じたりするのは、室温のみに原因があると誤解されがちですが、室温=体感温度ではありません。体感温度は、室温だけに影響を受けるわけではなく、身の回りの物体から放出される輻射熱(赤外線)によっても大きく変化します。
例えば、夏の暑い日に木陰に避難すると、気温は日なたと同じであるにも関わらず涼しく感じます。これは太陽の輻射熱を直接浴びずに済むことで、体感温度が下がるためです。
一般にその体感温度とは、下の数式で表されることがあります。
※実際の体感温度は個人差があり、他の要因(湿度、風の影響)も考慮する必要があります。また室内においては、壁や天井との距離にも左右されます。
夏の夜は、窓を開けて外気温と室温を同じにしても、暑苦しさを感じます。これは日中に太陽の光によって壁や天井に蓄積された輻射熱が室内に放出され、体感温度を上昇させるからです。従って、先ほどの木陰の例のように、輻射熱の影響を直接受けないように遮ることができれば、体感温度の上昇を抑え、快適に過ごせる住まいが実現できます。
一方、冬は壁や天井の温度を暖かく保つことで、体感温度は上昇します。
タイベック®シルバーは、アルミニウムの力で約85%もの輻射熱を反射し、壁や天井に蓄積される輻射熱の量を大幅に減らします。エアコンに頼らずとも快適に過ごせる、エコロジーな住まいづくりに貢献します。
夏は強い日射しで高温になった外装材から室内に向けて輻射熱(赤外線)が放射され、躯体が温められます。タイベック®シルバーはこの輻射熱を通気層内で反射させることにより、室内への熱移動を抑え、住まいを快適に保ちます。
冬の効果
冬はアルミニウムの低い赤外線放射率により室内からの熱の放射を抑え、魔法瓶のような効果を発揮します。
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室内の暖房の熱は躯体や断熱材を伝わり、次第に通気層に向かって熱を放射してしまいます。タイベック®シルバーはこの熱損失を抑えて室内を暖かく保つことができます。

冬はアルミニウムの低い赤外線放射率により室内からの熱の放射を抑え、魔法瓶のような効果を発揮します。
室内の暖房の熱は躯体や断熱材を伝わり、次第に通気層に向かって熱を放射してしまいます。タイベック®シルバーはこの熱損失を抑えて室内を暖かく保つことができます。
タイベック®シルバーの性能実験や実際の施工例における調査データです。
その優れた遮熱および透湿、防水性能をご覧ください。
実験映像
夏の効果
タイベック®シルバー(左)とタイベック®ハウスラップ(右)の裏側から赤外線ヒーターを当て、熱をどのくらい反射するかを表側(手前)からサーモカメラで測定しました。タイベック®ハウスラップ(右)は時間とともに表側に熱を通してしまいますが、タイベック®シルバー(左)は熱を反射して通さず、表側の温度を低いままに保っています。
冬の効果
普通の紙コップ(右)とタイベック®シルバーを巻いた紙コップ(左)それぞれに熱湯を注ぎ、コップ外側に熱がどのくらい放出されるかを測定しました。タイベック®シルバーを巻いた紙コップ(左)は普通の紙コップ(右)に比べて、コップ外側表面の温度が上がらず、熱の放出を抑えています。つまり住宅であれば、冬場に室内の熱を外に逃さないことになります。
注:放射率が極端に異なるもの同士を直接サーモカメラで測定しても正確な熱映像が得られないことがあるため、この実験では両紙コップの周囲にさらに紙を置き、そこに伝わった温度を測定しました。
透湿・防水性能
水槽にタイベック®シルバーで間仕切りをして上から水を張り、下から空気を送り出して防水性と通気性を確認する実験です。タイベック®シルバーは水を通しませんが、目に見えない無数の穴(極細繊維間)から空気を通し、透湿性能を有していることがわかります。
実棟効果検証
夏の効果検証(愛媛県松山市)
タイベック®シルバーの効果を実際の住宅で調査しました。
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他社透湿防水シートを使用した住宅と、タイベック®シルバーを使用した住宅の内部温度を比較しました。
赤外線を効果的に反射するタイベック®シルバーを施工した建物は、施工していない建物と比べて、天井・壁の温度上昇が抑えられました。躯体等への蓄熱を軽減しているため、日没後の輻射による熱の影響を抑え、快適性を向上させています。
同仕様の隣り合った2棟を室内からサーモカメラで撮影し、天井・壁の温度を比較。(松山市内)
- A棟・・・壁:従来タイプ 透湿・防湿シート 屋根:シートなし
- B棟・・・壁・屋根:タイベック®シルバーを使用)
- 試験日/2005年7月26日
- 外気温/33℃(13:00)
- 構造/在来木造工法(断熱材厚 壁100mm 屋根裏100mm)
- 撮影機材/NEC製サーモトレーサTH9100MV
- 遮熱建材/デュポン™タイベック®シルバー (下記データは実測値であり、保証値ではありません。)
画像左:従来品 画像右:タイベック®シルバー
- 10時頃
- (東南部屋・隅)
最初は大きな違いは出ません
- 12時頃
- (東南部屋・隅)
差が出始めています。
- 16時頃
- (北西部屋・隅)
差が大きく開いています。
- 19時頃
- (北西部屋・隅)
日が落ちてもまだ差は開いたままです。
- 左:タイベック®ルバーなし
- 蒸し暑い2Fの天井裏です。
躯体に熱がこもり、灼熱状態なのが分かります。 - 右:タイベック®ルバーあり
- 1枚のシートが躯体のストレスをも軽減します。
夏の効果検証(産業施設)
タイベック®シルバーが天井裏に施工された産業施設にて遮熱効果を調査しました。
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産業施設の天井裏(石膏ボード裏)にタイベック®シルバーを被覆させて試験しました。
従来は、金属屋根からの赤外線(輻射)により天井が暖められ、その熱が輻射として室内へ大量に降り注ぎ、体感温度が上昇していました。クーラー温度を19度に設定し、常時作動させていたことで、停電を起こすこともしばしばでした。タイベックR シルバー施工後は設定温度を26℃にしても快適に作業ができるようになり、クーラーを作動させても停電しなくなったとのことです。
何もなし | タイベックRシルバー | ||
---|---|---|---|
シートと石膏ボードの 間の温度 |
43℃ | ![]() |
![]() |
停電の有無 | 毎年停電 | ![]() |
|
冷房設定温度 | 19℃ | ![]() |
![]() |
冬の効果検証(富山県高岡市)
タイベック®シルバーの効果を実際の住宅で調査しました。
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タイベック®シルバーの有無による冬の保温効果を測定しました。同仕様の隣り合った2棟を、室内側からサーモカメラで撮影しました。
高気密・高断熱と呼ばれる住宅であっても赤外線による熱の損失は避けられず、室内の壁の温度は低下していました。タイベック®シルバーを施工した物件は、アルミニウムの熱を放出しにくいという特性から、その保温効果が認められました。
- 日時/2007年1月26日 13時頃 場所/高岡市内
- 構造/在来木造工法 壁断熱材の厚み/100mm
冬の効果検証(実験棟)
遮熱仕様と通常仕様の屋根で熱の損失の違いを確認しました。
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デュポン(株)技術サービスセンターの実験棟にて調査を行いました。
タイベック®シルバーの有無による、外部への熱放射の違いを調べました。内部に熱源としてヒーターを置き、外側から屋根面をサーモカメラで撮影しています。
タイベック®シルバーがあるだけで、内部からの熱漏れが大幅に減少しているのがわかります。
※屋根断熱は施していません。
タイベック®シルバーの製品規格および各種安全性試験データをご覧いただけます。
規格
品名 | デュポン™タイベック®シルバー |
---|---|
規格 | 幅1m×長さ50m巻 (厚さ: 0.17mm)
幅3m×長さ40m巻 (厚さ: 0.17mm) ※製法上、厚みには多少のばらつきがあります。 |
施工上の留意点 |
---|
デュポン™タイベック®シルバーのアルミニウム面が必ず空気に触れるように施工してください。
(アルミニウム面が物体に触れて熱が伝導してしまうと、遮熱効果が発揮されません) |
●小屋裏への施工についてはこちらをご覧ください。
データ
取り扱い上の注意
- 当商品を、直射日光に当たる場所へ長期間放置しないでください。施工後は、60日以内にサイディング貼りを終了してください。
- 当商品は、外壁下地・小屋裏施工用としてのみ使用してください。
- 当商品は滑りやすいので、上に乗らないようにしてください。
- 当商品は火や高熱によって溶けたり燃えることがありますので、火や高熱物を近づけないでください。
- 当商品の施工にあたっては、当社が提供するデュポン™タイベック®標準施工要領に従い適切に施工してください。
- 当商品を取り扱う際には、手を切らないように注意してください。
- 当商品を使用して施工した場合でも、工法等により結露する場合があります。
警告
- 滑落の危険性がありますので、ルーフィングとして使用しないでください。
タイベック®シルバーの各部の施工方法について解説いたします。
(タイベック®ハウスラップの標準施工要領と同じです※ )
※小屋裏除く
施工方法
開口部
土台部
タイベック®は土台水切の上に被さるように施工することにより雨水を排出します。
また、タイベック®と土台水切は防水テープで固定してください。
入隅部
※重ねしろは150mm以上確保してください。
※タイベック®は一枚続きでも施工できます。
※外壁部分の施工において、タイベック® ハウスラップ、タイベック® シルバー、タイベック® ドレインラップは、同じ施工要領になります。
出隅部
※重ねしろは150mm以上確保してください。
※タイベック®は一枚続きでも施工できます。
※外壁部分の施工において、タイベック® ハウスラップ、タイベック® シルバー、タイベック® ドレインラップは、同じ施工要領になります。
小屋裏部
夏季の蓄熱と冬季の熱損失は屋根からも起こります。
壁のみならず、小屋裏にも、タイベック®シルバーを施工いただくことを推奨しています。
透湿性があるため、壁、屋根共に安心してご使用いただけます。
※棟換気等により風でなびく音を防ぐため、ソフトタイプ(小屋裏用)を推奨しています。
おすすめ:軒天換気・棟換気等を併用すると、より効果的です。
- 小屋裏(室内側)から、アルミニウム面を屋根(外側)に向け、タッカー等で母屋や垂木に留めてください。
- ルーフィング材で求められる程、十分な防滑性と釘穴止水性を有していないため、屋根ルーフィングには使用できません。
- タイベック®シルバーは母屋だけではなく、垂木へのタッカー留めも十分に行ってください。(ピッチ100mm以下推奨)
- アルミ面に物体(合板や断熱材)が触れないように施工してください。
屋根断熱工法などの場合、その他施工に関するご質問は、弊社までお問い合せください。
注意事項
- 土台水切りとタイベック®は防水テープで固定してください。
- ゴムアス系防水テープは使用しないでください。
- モルタル直塗りはしないでください。
- タイベック®シルバーのアルミニウム面は空気に触れるように施工しないと遮熱効果が期待できません。
- 防蟻防腐剤がシートに影響を及ぼすことがあります。
木材に塗布する場合、溶剤が十分に揮発してからシートを施工してください。
又、通気胴縁に関しては外装施工前に雨水などにさらされることにより、
防蟻防腐剤が溶け出し、シートの防水性を低下させることがありますので十分にご注意下さい。
施工にはタイベック®シルバーテープの使用を推奨します。
- タイベック®シルバーがハード/ソフトより優れている点を教えてください。
- タイベック®シルバーはハード/ソフトの特性を持っていることに加えて、遮熱性、長期耐久性、防蟻防腐剤耐性に優れています。シルバーは、表面にアルミニウムを蒸着しており、赤外線反射率85%という高い遮熱性を有しています。また50年相当の耐久性試験を行っており、JIS A6111:2016の耐久性区分Ⅲ-1に適合しています。さらに1m幅製品については防蟻防腐剤への耐性があります。外装材施工までの期間に胴縁が多量の雨水にさらされて防蟻防腐剤に含まれる界面活性成分が溶け出し、それによって透湿防水シートの防水性能が低下することがあります。対して、シルバーは表面に特殊コーティングを施しており、防蟻防腐剤の影響を受けにくくなっています。
- タイベック®シルバーのアルミニウム面は、室内側と室外側のどちら側に向けた方がよいでしょうか。
- アルミニウム面を室外側に向けて施工ください。夏はアルミニウムの高い赤外線反射率により室外からの強い輻射熱を反射し、室内への熱移動を抑えます。一方で冬はアルミニウムの低い赤外線放射率により室内からの熱の放射を抑え、熱損失を抑えることで室内を暖かく保つことができます。
- タイベック®シルバーを施工した場合、断熱や気密は必要ないのですか?
- 断熱、気密は必要です。「遮熱」は赤外線エネルギーをコントロールするもので、暖気や冷気の流れを抑える「気密」や、熱の伝導を遅らせる「断熱」とは役割が違います。より快適性を高めるためには、これらを併用することが必要です。
- タイベック®シルバーはルーフィング材として使用することはできますか。
- ルーフィング材としてのご使用はおやめください。タイベック®シルバーはルーフィング材に求められる程度の釘穴止水性を有しておらず、また表面が滑りやすいため、施工時に転倒する恐れがあるため非常に危険です。
- タイベック®シルバーにより、携帯電話の電波が反射され、使えなくなることはありますか?
- 建物に開口部が一切なく、タイベック®シルバーで完全に包まれた空間ならば、携帯電話が着信できなくなることがあります。しかし、現実にはこのような状況は起こりにくく、ほとんどの場合で使用可能です。ただし、お住まいの地域や住宅の構造、窓ガラスの種類と携帯電話の組み合わせによっては、つながりにくくなります。
- タイベック®シルバーの遮熱性能を熱貫流率に置き換えることはできますか?
- タイベック®シルバーが持つ遮熱性能は、断熱性能とは性質が異なるため熱貫流率に置き換えることはできません。
- タイベック®シルバーの設計価格を教えてください。
- 設計価格一覧表をご参照ください。
▲設計価格一覧表 - タイベックR®シルバーの購入先を教えてください。
- 弊社営業担当者へご相談ください。